極小精子の凍結について

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  • このトピックには4件の返信、2人の参加者があり、最後にMAIにより3年、 6ヶ月前に更新されました。
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  • #1075
    MAI
    参加者

    現在、開催中の受精着床学会ワークショップにおいて、TESEからの極小精子の凍結を

    行う講演がありました。あまり詳しく内容については触れられていなかったのですが、皆様のご施設で

    TESEから得られた組織で、当日に精子を探索、精子のみ分離しドロップにて凍結しているという

    方はいらっしゃいますか?

     

    当院では、組織を細かくし(すりつぶし)、精子を探索、密度勾配法にて精子を分離し沈渣を

    精子凍結保護剤にて凍結しております。

    ※沈渣には精子の他に細胞も混ざってしまっています

    そうすると、いくら、処理前に精子がいたとしても

    沈渣中に精子がいる保証はありません(沈渣を鏡検して確認しても良いのですが

    精子が少ない場合、ロスが出てしまうので行っておりません)

    ICSI当日になって、融解し、細胞が混じった中から、生存精子を探すのは非常に困難となり

    HOSTest、ペントキシフィリンを使用しても生存判定が難しい場合もあります

     

    講演の中で、探索した精子をクライオトップに、インジェクションピペットに乗せて凍結させる

    という方法がありました。極小のドロップでも凍結することは可能なのでしょうか

    また、講演では、卵用の凍結保護剤(kitazatoVT508)でシュクロースを足しているようでした

    その理由もよくわかっていません

     

    また、クライオトップを融解する際、オイルカバーしたドロップの中で融解するようですが

    オイルの中に精子が落ちてしまうことはないのかどうか疑問です

     

    他の講演でも紹介されていましたニプロの「Cell Sleeper」という製品も同じように

    ドロップをクライオチューブの中で保存できるデバイスのようでこちらも気になっています

     

    もし、現在このような方法を使用されているご施設の方がいらっしゃれば

    詳しく教えていただけたら、と思います。

     

    #1077
    やあ
    参加者

    私は、実際臨床でのTESE由来の極少数精子凍結を実施したことはありませんが、一時期極少数精子凍結の研究をしていました。
    私の考えを箇条書きしてみます。

    ① その前に、TESE組織をすり潰した後に密度勾配試薬を使用するには、個人的にはしないほうがよいと思っています。
    折角存在した少数の精子が減ってしまうと思います。

    ② クライオトップのシート上に作製した1µLほどのドロップ内で精子を凍結する手法は、複数報告されているので、臨床上でも可能なはずです。最初に報告された遠藤先生の論文を列記しておきます1)2)3)。

    1) Endo Y, et al. Single Spermatozoon Freezing Using Cryotop. J Mamm Ova Res. 2011;28(1):47-52.
    2) Endo Y, et al. Successful delivery derived from vitrified-warmed spermatozoa from a patient with nonobstructive azoospermia. Fertil Steril. 2012;98(6):1423-1427.
    3) Endo Y, et al. Simple vitrification for small numbers of human spermatozoa. Reprod Biomed Online. 2012;24(3):301-307.

    ③ 精子の凍結保護剤としてはグリセロールが一般的ですが、シュークロースで凍結する方法も報告されていますので、お聞きになったご施設ではそれを採用されているものと思います。
    Kitazatoの胚凍結液のDSには、0.5M濃度のシュークロースが含まれていますので、これを培養液で希釈して報告されている0.2M濃度に希釈して使われているのではないかと思います。
    ただ、私の経験では、グリセロールの方が生存率良好でした。

    ④クライオトップ上で凍結したドロップをオイルに突っ込んで融解しても、オイルに精子が落ちることはほぼありません。ドロップはシート側にくっついていますので。
    ただし、その後、培養液ドロップで洗浄して精子を回収しますが、回収率が100%という訳ではないので、どこかで精子を紛失していることにはなっていると思います。

    #1079
    MAI
    参加者

    ありがとうございます

    ちょうど論文を検索していましたらIVP-NEWSの昔の記事を見つけまして

    拝見させていただきました。

    どちらもすぐに使えそうな方法だと思いましたが、クライオトップまたはCELL SLEEPER上の

    作ったドロップがすごく小さいので、インジェクションピペットで精子を入れるまでに濃縮してしまわないか

    そのまま直ぐに液体窒素に当てることができるのか。と練習が必要だなと思いました

     

    密度勾配法を行うことに関しては、以前に精子は組織にくっついていることも

    あるので、密度勾配法により、組織を取り除くと、一緒に精子もロスしてしまうと

    いうことですね。

    TESEのプロトコルの変更はなかなか難しいですが検討していきたいと思います。

     

    もし、組織をそのまま凍結するのであれば、酵素でバラバラにする方法など

    必要になりますか。なかなか件数があるわけではないので常備しておくのが

    難しいのかなと感じています

     

    #1080
    やあ
    参加者

    1µL程のドロップにマニピュレーターを用いて直接精子を入れる手法は、そこそこ手際よくやらないと、凍結液が蒸発して濃度が変わってしまうと予想しますが、私は実際にやったことが無いので、できれば経験者の方のご意見を聞かせて欲しいです。

    個人的な経験上、ドロップの大きさは1µLよりも多い方が生存率が良好だと思っていますが、凍結スピードとの関係があると思いますので、各自の環境に左右されるかもしれません。精子をドロップに直接導入する方法は、融解後に検索する関係からドロップ量をあまり大きくできないという理由があるものと思っています。

    密度勾配法で遠心すると、組織は沈査に落ちませんか?
    むしろ懸念していることは、通常の精液を密度勾配遠心したときでも、沈査より上の上清に沢山の精子がトラップされていますので、TESE組織を密度勾配遠心処理すると遊離した精子がトラップされてしまうことが多いのでは?ということです。

    粘稠や組織に貼り付いた精子を遊離させるのに、コラゲナーゼ等の酵素処理は有効だと思っていますが、私自身は使用経験が無く、メッシュで潰してそのまま凍結したことしかありません。

    #1081
    MAI
    参加者

    ありがとうございました

    TESE処理法は施設ごとに、手技・道具など統一されていない

    事の一つだと感じました。

    生存精子を分離するものと思って密度勾配をしてきましたが

    (赤血球や白血球も沈渣に落ちます、組織は割と上に残っているので

    精子がくっついていると思われます)

    TESEで精子が少ない場合、多くをロスしてしまうというご意見、参考に

    させていただきたいと思っています。

     

    凍結し、生存したまま融解できるかどうか、廃棄精子で練習してみようと思います

     

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