ICSI時のドロップ温度について

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  • このトピックには3件の返信、2人の参加者があり、最後にやあにより3年、 6ヶ月前に更新されました。
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  • #1014
    MAI
    参加者

    当院は新しく移設し、機器をすべて総取替えしてから2年が経過しています。

    その間すこし気になってはいたんですが、クリーンベンチと倒立顕微鏡のホットプレートの

    温度差が気になっていました。

    先日、機器をお借りして測定する機会があったので実測してみたところ

    クリーンベンチは37℃設定 37℃実測に対し

    倒立顕微鏡は37℃設定 32.5℃しかありませんでした。

     

    メーカーさんに問い合わせて代替えのホットプレート(校生済み)を送っていただいて

    測ったところやはり32.5℃にしかなりませんでした

    このことからホットプレートの故障ではなく、当院に実際設置した時に生じる誤差のようなもの?

    のではないかと考えました。

    ですので、今回は修理には出さずに、温度のキャリブレーションをとり37℃設定

    37℃になるように、校正して終わりました。

    「今までこんな低い温度でICSIを行っていたことにショックを受けました」

     

    ここからが本題なのですが、その次の日からのICSIで、精子がピペットの先にくっつき

    卵子の奥に置いてこられず、穿刺口の方まで引っ張ってきてしまう症例が3件

    続けて起こりました。細胞質が少し出てしまう変性もありました

    精子をおいてくるため、たくさんPVPを注入しなければならない場面もありました

    (問題ない症例もありますし、ベテラン技師は気にしていないようでした)

     

    ICSIする時に変性してしまう卵は温度を少し下げてやるとよい

    (※温度を下げると、卵細胞質の粘土が上がり、穿刺口から細胞質が流れにくくなるため)

    という事を聞いていたので、もしかしたら温度を37℃にしてしまったから

    起こったのではないかと考えています。

     

    皆様のご施設ではホットプレートの温度管理はどうされていますか?

    (今回のことで、表示されている実測値が信じられなくなってしまいました)

    ICSIの時だけ温度を下げてみるということはされていらっしゃいますか?

    もちろん紡錘体に影響を及ぼさない温度が前提ではあるでしょうが何度ぐらいが

    良いと思われますか?

     

     

    受精率は3割と低くなってしまったのですが、受精した卵に関しては

    胚盤胞まで成長していたのが唯一の救いです

    #1015
    やあ
    参加者

    ご確認ですが、クリーンベンチというのは、テーブル面の金属の部分のことで、倒立顕微鏡はガラスのウォームプレートのことですか?
    それとも、両方ガラスのプレートのことですか?

    倒立用のウォームプレートは、メーカーでは中心が37℃になるように校正して出荷していると聞いています。実際、中心から外れて外周にいけばいくほど、手で触っても温度が下がっているのが実感できるかと思います。ですので、測定機器によっては上手く実測できていない場合もあるかもしれません。
    今回はどんなタイプのセンサーで計測しましたか?

    もしも正確に測定できていなかったとしたら、温度のキャリブレーションをされたとのことですので、場合によっては、ディッシュ内の温度が一般的よりも高すぎになっていることも懸念されると思います。

    また、ウォームプレートの温度よりもドロップ内の温度は低くなっていることが知られています。特に足のあるディッシュ(Falcon1006等)ですと顕著で、私が過去に検討したときは設定値よりも4℃程低かったです。

    あと、「低い温度でICSIを行っていたことにショック」とありますが、個人的には温度はある程度低いほうが、ICSI後の生存率が上昇してよいことだと考えています。室温で行っているというお話もお聞きしています。

    ICSI時の温度に関しては、いくつか報告あるようですが、例えば下記の報告1)ではディッシュ内ドロップ温度が37℃になるようにウォームプレートを40℃に設定した場合、変性率が上昇して受精率が有意に低下したとのことでした。
    1)八木亜希子 他. ICSI 時のウォームプレートの設定温度は受精率と変性率に影響を及ぼす. 第61回日本生殖医学会学術講演会. P-092

    • この返信は3年、 6ヶ月前にやあが編集しました。
    #1017
    MAI
    参加者

    ご回答、過去論文のご紹介ありがとうございます

     

    クリーンベンチは9点で測定(ガラスと金属の部分も含む)、倒立顕微鏡はガラス面の

    中心で測定いたしました。どちらも金属のセンサーを貼り付けて測定するタイプのもの

    (横河電機 ペーパーレスレコーダー GP20)です。

     

     

    ICSIを室温でしている場合があるということを今回初めてお聞きしました

    今後は卵子の紡錘体に障害を与えないような温度に設定温度を下げ

    ICSIディッシュに同時に乗せる卵の数を減らし(できるだけ長時間の低温を避ける為)

    最適な温度調節をしていきたいと思います。

     

    ありがとうございました

    #1018
    やあ
    参加者

    クリーンベンチ内の9か所が37℃付近で、倒立のプレートだけ32.5℃ということなら、温度計の問題というよりは、やはり倒立の温度が低いということでしょうね。(低いことが悪いかどうかは別として。)

    ICSI時のウォームプレートの温度をいじっているラボの方がいれば、ご意見を頂けると嬉しいです。

    よろしくお願いします。

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