凍結液のPHについて

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  • このトピックには18件の返信、4人の参加者があり、最後にやあにより3年、 10ヶ月前に更新されました。
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  • #811
    MAI
    参加者

    本日凍結液がとどきました

    (当院では3穴のディッシュを凍結時に使うのでVSのみ別で追加注文しています)

    左が本日届いたVS液

    右がもともとあるES液です

     

    VSの色が黄色みがかっていることに気づき、メーカーに

    問い合わせをしたところ

     

    ヤマト運輸さんでは、冷凍品と冷蔵品を同じトラックで配達しており

    冷凍の方のドライアイスのCO2が容器を透過している

    とのことで、このようなご指摘は多数の施設さんからある

    とおっしゃっていました。

    今までこのようなことは私は経験したことなく、とりあえず返品対応

    していただきました。

    質問です

    ①このような事象は頻繁にあるものでしょうか

    ②CO2透過して黄変しているのですが、室温空気中に置いておいても

    色が赤に戻りません。なぜでしょうか

    ③メーカーさん曰く、その色でも細胞の至適pH内なのでかまわず

    使ってよい。とのことでしたが、明らかにpHが異なる液に連続で

    浸すことに不安を感じます。みなさんのお考えを教えていただけますか?

    #813
    やあ
    参加者

    MAIさん、こんにちは。

    メーカーさんは、ヤマト運輸さんが原因のように言っているようですが、冷凍室にドライアイスがあるとしても、製品は梱包されていると思いますし、凍結液の容器を透過するほどのCO2濃度になっているというのは、個人的にはにわかに信じがたいです。

    ① 私は頻繁にあるのかどうか分かりません。機会があったら他の施設の方にも聞いてみます。

    ② その凍結液は、CO2インキュベーター内で使用する培養液とは異なり、Hepes等で干渉されている溶液だと思いますので、外部のCO2濃度が変わっても元には戻らないと思います。一度pHがずれると、その値をキープすると思いますが、詳しい方にちょっと聞いてみます。

    ③ お写真の感じだとpH6.8~7.0程度ですかね。このpHが凍結過程で胚に影響を与えないというエビデンスは無いと思いますが、VSは以前からこんな色をしてた様な気もしますが。。。

    いつも使われているVSは、右のESみたいにもっと赤い色をされていますか?

    #814
    MAI
    参加者

    やあ さん

    ご回答ありがとうございます。

     

    比較写真同じVSの違うlotで載せると良かったですね、すいません。VSとES比較すると、どちらもピンクですかVSの方が少し薄いかもしれません。

     

    私の勉強不足ですみません、確認したいのですが

     

    ヘペス緩衝液で調整した培養液を高濃度のCO2下で黄変した場合、その後大気中に置いてもPHが元に戻る(色が赤に戻る)ことは、ないのでしょうか。

     

    私は重炭酸緩衝液と同じように考えていたので、可逆的に変化するものだと思っていました。

    今回届いたVSが届いてから3日経っても黄変したままだったので、私はなんらかの成分が変性してしまったのではないかと考えていました

     

    #816
    やあ
    参加者

    緩衝液というのは、外部からの影響でpHが変化することを抑える働きを持たせた溶液ですので、何らかの要因によってpHが変わると変化後の値をキープすると理解しています。
    緩衝液の種類によって有効なpHの範囲があり、添付資料によるとHepesは6.6~8.6(20℃のとき)となっています。ですので、この範囲を外れると緩衝作用(pHキープ作用)が無くなると思いますし、逆にこの範囲なら現状のpHをキープしようとすると思います。
    上記のように考えていますが、私も自信はないので専門家の方にに聞いておきます。

    下記は参考資料です。

    https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9508/9508_yomoyama.pdf

     

    • この返信は3年、 11ヶ月前にやあが編集しました。
    • この返信は3年、 11ヶ月前にやあが編集しました。
    #817
    やあ
    参加者

    追加で参考資料の要点部分を抜粋しました。

    #819
    やあ
    参加者

    たぶん凍結溶液は、フェノールレッドでpHを可視化していると思いますので、概略の値は下記が参考になりそうです。

    http://www.saitama-u.ac.jp/ashida/calcgrap/colsamp.htm

    #830
    MAI
    参加者

    やあ さんへ

    緩衝液の詳しい資料などありがとうございました。

    そう考えますと、届いた時に色が変色してしまっている培養液は

    もう元のPHと色に戻すことは難しく、胚への使用はやめ、すぐに取り換えて

    いただくのがベストかなと、思いました。

     

    私たちは普段、ヘペスに入っているから大丈夫、インキュベーターに入れてるから大丈夫

    という頭で仕事をしてしまっていることがあるかもしれません。

    けど、無色透明の培養液に入っていたらPHがどのように変わっているか気づくこともできません

    PHメーターがあるとよいと思うのですが、購入の優先度的にまだ購入できていません

     

    今回の事例では運送会社の運送状態による、培養液の変性ということでしたが

    このような理由であれば、この先も起こりえるかもしれません

    (特に夏場にドライアイス多量に使うような発送も増えそうですし)

    みなさんのご施設でも、似たような事例がありましたら是非教えていただけると

    ありがたいです。

    #831
    やあ
    参加者

    そうですね。最近の培養液はフェノールレッド不含有が主流ですから、外見でpHの異常を気付けませんので注意が必要です。

    ドライアイスの件は疑問が残りますが、もしも手元にドライアイスが入手できれば、本当にその程度の状況でpHが変化するのか? どのくらいの空間でどの程度の時間放置したら変色するのか?などを是非試してみて下さい。もしくは、メーカーさんに質問してもいいかもですね。

    #834
    やあ
    参加者

    思ったのですが、CO2インキュベーターに入れておけば、容器を透過して内部の溶液のpHが変化するか分かりますね。

    宅配業者さんがドライアイスを使っているか知りませんが、輸送環境がインキュベーター内よりも高いCO2濃度になっているとは、ちょっと考えづらい気もしますので、この検討で液の色に変化がでなければ、輸送中のCO2環境による影響とは考えにくいと思います。逆に変化するようであれば、その容器はCO2を透過しすぎであり、試薬を入れておく容器としてはどうかと思います。

    #835
    MAI
    参加者

    やあ さんへ

    確かに、そうですね。CO2インキュベーターよりも高い数値のCO2

    濃度ってなかなかないですね、明日インキュベーターに、蓋開けたものと

    閉めたものなど比較しておいてみようと思います

     

    凍結液を入れている容器は、普通の培養液を入れている容器と異なり

    若干空気を透過する素材でできているということはわかっていたのですが、

    色(PH)まで変動するとなってしまうと不安を感じてしまいますね

     

    (ところで、みなさんのご施設はどうされているか聞いてみたいんですが、

    十分な温度37度加温が必要なTSですが、↑のような容器の特性上

    オーバーナイトでの加温はよろしくないと記憶しています。

    ※他メーカーさんではOKなところもありました

    当院では朝出勤しすぐに、インキュベーターに例の容器ごと放り込み

    30分ぐらい置いてから融解作業に入っています。

    みなさんはどのように加温されていますか?)

    #836
    やあ
    参加者

    to MAIさん

    凍結液容器のCO2透過性について、検証結果を是非また教えてください。

    この掲示板は開始したばかりなので、今のところメンバーはそれほど多くありませんので、ご返事少ないかもしれません。

    【そんな感じですので、ご参加の皆さんも差しさわりない範囲で積極的に情報共有して頂けると嬉しいです!】

    TSや凍結以外に使用しているHEPES培養液を、前日から加温しているというご施設もお聞きしたことありますが、37℃程度に温まればOKなことなので、使用時に加温開始することを私はお勧めしています。

    ホットプレート上にスピッツを立てる用のアルミブロックを置いて加温してるご施設が多い気しますが、ホットプレートにTS容器を寝かせているのも見ました。もちろん、インキュベーターや加温庫に入れているご施設もありますが、胚培養に使用しているインキュベーターと併用するなら賛同できません。

    #837
    ミカワ
    参加者

    MAIさん、やあさん

    当院でもTSやHEPES培養液は朝出して30分以上温めてから使用しています。

    #838
    shiro
    参加者

    話題にあった、ドライアイスのpH変化についてですが、以前pHについての検討実験をしていたことがあります。
    セラムチューブに生体検体を分注後、ドライアイス入りの発泡スチロールに保管し、その前後でpHを測定しました。
    結果としては、その前後でpHの低下が見られました。梱包状態や内容物にもよるとは思いますが、ドライアイスのpHの影響は少なからずありそうです。

    #839
    MAI
    参加者

    容器に入った凍結液が高CO2濃度下で、どの程度変色するのか調べてみました

    CO2 5%インキュベーター内で直後と1時間後の写真です

    ※Aは今回届いた黄色く変色していたVS

    ※Bは在庫であった変色していないVS

    蓋を閉めている閉めていないに関わらず、どちらも1時間で変化が見られました

    当院では朝一番にTSをインキュベータ内で加温するのですが、採卵など終わってから融解作業

    に入るまでに1時間以上経過してしまうこともあります

    1時間のうちにPHが変わっていることもあるかもしれないと感じました。

     

    しかし、蓋を閉めているのにこんなに変化することに正直驚いています。

    届いた凍結融解液が変色していたというクレームが他にもあるということなら

    改善されてもいいような気がしてしまいます。

    ・凍結液や融解液は、細胞が接している時間が短いから小さい変化は問題ない。のか

    ・小分けする容器でコストがかけられないから。なのか

    理由はわからないですが。

    培養士の仕事の一つとして品質を管理することが大切なことだと改めて実感しました

     

    みなさんのご施設のやり方など教えていただきありがとうございます

    #841
    やあ
    参加者

    MAIさん

    貴重な検討結果を教えて頂き、有難うございました!

    これには驚きました。フタを閉めているのに、1時間でこんなに変化しましたか!

    他のクリニックの方も頻度は少ないが過去に経験されているということだったので、本当に外部環境の影響でpH変化していることがあるのかもしれないですねえ。

    できれば、今回変色したBを大気中に放置で少しでも色が戻るか見て頂けないでしょうか?

    私は戻らないと思うとお伝えしましたが、原理的にはCO2が抜ければ戻るのでは?との意見を頂きました。

    あと、私もHepes培養液にフェノールレッドで色濃くつけて、今日インキュベーターに入れてきたのですが、まさかこんなに短時間で結果にでるとは思わなかったし、土日確認できないので来週の月曜に確認するつもりでした。来週見たらまっ黄っ黄かもしれませんね。。。。

    また、ご報告します。

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